動物映画好きの自分から見たズートピア : アニメで犬ばかり見てるアニメで犬ばかり見てる

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    動物映画好きの自分から見たズートピア

    • 2016/04/23
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    ズートピア見てきた。

    物語の結末までは書いてませんが少しネタバレあるので見てから読むこと推奨。

    あらすじは日本語版予告編で紹介されている通り、色んな動物が一緒に暮らすズートピアでウサギの警察官が奮闘する話。
    しかしその内容は思っていた以上に重いものだった。ディズニーの動物モノとしては1,2を争うほど大人向けな内容だろう。

    世界観について


    最近の動物アニメは非差別の意識からか「色んな動物が平等に暮らす」世界を強調している場合が多い。
    例えば2005年に公開されたチキン・リトルがその典型だった。

    主人公のニワトリの子供(ヒヨコ)はひ弱なキャラクター。だが親は屈強な元スポーツマンとして描かれており、種族の違いが知能や体力の違いにはならないよう描かれている。動物の習性は基本的にジョークのために描かれているに過ぎない。

    これが典型的子供向け動物モノであり無難で安心して楽しめる映画。しかし動物である必要がない動物モノは大人の目からしてあまりにも退屈なのだ。結果的にこの映画は興行的に失敗する。

    一方でズートピアも表向きは動物達が平等に暮らすことがテーマになっている。しかし草食獣と肉食獣は必ずしも仲良しではないし、習性の違いから偏見と差別がまだまだ残っている。これは人間社会そのものだった。

    観客は人間がいない動物世界に現実の問題を投影し、罪の意識無く世界観に感情移入できる。

    実写でこのような映画を作れば、ほとんどの人は必ずどこかに自分の立場というものを考えてしまう。そのため客観的な感情移入は難しい。

    さらに草食動物と肉食動物の立場を両立させていたのが見事だった。
    まず重要になるのが、観客も「肉食動物は悪」という印象を抱いていることだ。

    人間も肉食だが、食われるのが好きな動物がいるわけがないのでこれは全生物共通の心理と言える。
    さらに映画冒頭で肉食動物が草食動物を襲う場面が用意されていることからも、このステレオタイプを強く印象付けている。

    だがいざ映画が進行してみると肉食動物は皆温厚で、キツネのニックにも脅威は感じられない。

    その温厚なはずの肉食動物が偏見で追いやられる姿に観客は心を痛めるだろう。しかしその偏見の心理は観客が冒頭で抱いていたものである。差別がいかに身近に存在するか思い知らされるのだ。

    これもただ動物で描いたからではなく、非常に細かいキャラクターの心理描写の成せる業だと感じた。


    もうひとつ、博物館のシーンで武器を持ったウサギの人形が出てくる場面が印象的だった。

    あれはつまり草食獣も原始時代は野蛮だったということを意味する。恐らく戦いの相手は肉食獣だろうし、「草食獣は凶暴にはならない被害者」という意識もまた偏見だと言える。闘争心は全ての動物が持っていたものだと、あの瞬間に認識できる重要な場面だと感じた。

    ズートピアは大人向けすぎるか


    社会風刺が行き過ぎではないかという批評もある。

    たしかに動物アニメというものは本国アメリカでも子供向けという印象があるのでここまで風刺が強いと明らかに大人をターゲットにしているとしか思えない。

    でも子供が本当の意味で風刺を理解する必要があるだろうか。
    ディズニー映画はもともと子供をメインターゲットにしていたというわけでもない。

    動物モノが子供向けに思われ始めたのはここ40年あまりの話でそれ以前は大人が動物モノのアニメを楽しんでいた。

    それにズートピアの野生に翻弄されるストーリーはディズニー初というわけでもない。
    あまり知名度の無い映画だが1981年の「きつねと猟犬」はズートピアと少しテーマが似ている。

    ズートピアが大人も子供も楽しめる以上大人向け要素が濃いことはそんなに悪いことでもないと思う。子供も大人になる。その時深い意味を理解するのも悪くは無いだろう。


    ズートピアの肉食獣は何を食べてるのか


    動物アニメ永遠の謎。肉食獣は何かの肉を食べているはず。草食獣はそれを快く思うのだろうか?
    ズートピアくらいの映画ならその点も描いてくれると期待していたが、最後まで明かされることが無かったのが残念だった。

    この点は必ず制作者も議論したはずだが、映画に登場させられるような答えを見出せなかったのかもしれない。下手に取り上げれば叩かれるリスクのある話題なので、あえて隠すしかなかったのか。

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    当然人間が作り出した家畜はズートピアには出てこない。
    ブタは出てくるが、ブタの原種であるイノシシはは人工的な交配を行わなくても家畜化された環境で飼うと容易にブタ化するらしい。つまりあの世界でイノシシはとっくに絶滅してブタになったのだろう。

    それで結局何を食べてるんだろう。
    ズートピアにはいない動物を食べているのだろうか。
    ズートピアにいない動物って
    もしかして、人間…?



    ズートピアをディズニー映画最高傑作だと感じた


    そこそこの数のディズニーその他の海外アニメを見てきたが、これほど魅力的なキャラクターと完成度で非の打ち所が無い作品は見たことが無い。

    キャラクターが好きになったのは単なる好みの問題かもしれないが、このかわいさやかっこよさを出すためにディズニーのアーティストは尋常ではないほどの情熱を注いだに違いない。それを強く感じるジュディやニックたちには、間違いなく命が吹き込まれている。

    その時代のアメリカ文化を象徴するディズニーが現代の社会問題までも深く風刺したことで、ディズニーアニメはもはや単なるアニメではなく時代を象徴する芸術作品にすら思える。

    それでいて架空の動物社会で間接的に描いているからこそ、時代が変わってもこの映画は永久に親しまれ続けることだろう。野生動物が絶滅でもしない限りは。

    どこまでも作りこまれた世界観はまるでズートピアに行って撮ってきたかのよう。
    映画館を出て現実にこれが無いと思うと憂鬱になるくらいまた見たくてたまらなくなった。

    ただ不安なことが1つ。
    ディズニーはこれで動物モノ究極の世界観を完成させてしまったように感じる。

    ミッキーマウスみたいなキャラはともかく、いまさらロビンフッドのような作品を見て自分が満足できるか不安になってしまった。

    ズートピアのような世界を再利用するのならそれはそれで楽しみだが、ぜひディズニーには想像を越えるズートピア以上にすばらしい映画を作り続けてらいたい。
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    Author:MASA
    ディズニーなどの海外アニメが好き。特にバルトが大好き。本当に犬しか見てないわけではないけど動物キャラが好き

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