犬にジャンクフードを与える「愛犬とごちそう」は悪いアニメか? : アニメで犬ばかり見てるアニメで犬ばかり見てる

    犬にジャンクフードを与える「愛犬とごちそう」は悪いアニメか?

    • 2014/12/31
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    まず結論から言わせてもらうと

    現実で犬にジャンクフードを与えるのは良くない。
    だがそれを行う人間が悪いのであって「愛犬とごちそう」(以下Feast)を作ったディズニーに罪はない。

    その理由を主張ごとに説明していく。

    主張1「子供が真似して犬にジャンクフードを与えるかもしれない」


    確かに子供は多感でディズニーアニメに影響を受ける可能性は十分ある。

    しかしディズニーがその責任を負う必要は無い。

    子供が犬と暮らすということは良識ある大人が犬の飼育に関する教育を行える環境であるべき。そのような環境で犬が飼われていないのなら、そっちのほうがはるかに大きな問題をはらんでいる。親が正しい飼育を教授できない環境ではFeastなど見なくても問題が発生するだろう。大人がFeastの真似をするなど論外だ。

    人間の食べ物を食べるアニメの犬たち

    そもそもアニメで動物がジャンクフードを食べる描写はFeastに始まった話ではない。ディズニーを初めとするアメリカンアニメーションは動物が人間の食べ物を食べる描写を数え切れないほど行ってきた。今さら子供への影響を問題視するのなら、ジャンクフードを崇拝するアメリカの食文化を批難すべきでありディズニーや製作者を批難するのは筋違いだ。

    ただし、Feastで危機感を抱くのも不思議ではないし作品を嫌うのも個人の自由なので変ではない。




    主張2「ウィンストンは喋らないし他のアニメの犬とは別物」



    このような意見もある。

    確かにディズニーアニメの犬の多くは喋ったり豊富な表情を見せたり擬人化が施されている。そんな中でFeastは喋らないため別物だということだろう。

    私はそうは思わない。10年以上犬を飼っている身からして、Feastを含むディズニーの犬は現実の犬からかけ離れている。現実の犬は喜んでいるとき口角が上がると限らないし、物を食べる姿はアニメで描くには退屈なほど不器用だ。

    それと比べればFeastの犬は十分擬人化が施され現実の犬とはかけ離れている。人間の食べ物を食べることも擬人化の一技法だと言える。


    そもそも擬人化されてるから大丈夫という認識自体根拠が無い。

    2010年に「プリンセスと魔法のキス」を見た50人以上のアメリカの児童が映画の真似をしてカエルとキスしたことでサルモネラ菌に感染したというニュースがあった。

    The Princess and the Frog fans fall ill after copying film
    http://metro.co.uk/2010/02/01/the-princess-and-the-frog-fans-fall-ill-after-copying-film-67331/


    このアニメでカエルは喋るし人間のような振る舞いを終始行っている。さらには「カエルとのキスは気持ち悪い」というセリフも何度も登場しているにもかかわらず、カエルとのキスを行う子供が大量に現れた。

    これが意味することは擬人化表現が子供に与える影響度を下げると限らないし、より高める可能性もあるということだ。


    主張3「ジャンクフードを正当化するような映像表現をするべきではない」


    くもりときどきミートボール


    これは日本以上にアメリカで問題視されている。マクドナルドは特にこの問題の指摘を受け2007年には子供に対するジャンクフードの広告を一部自主規制した。

    分別の付かない子供にジャンクフードを日常化されるべきではないという意見はもっともだと思う。しかしFeastを含めアニメーションがこの問題で批難される謂れは無い。

    Feastが宣伝しているのはキャラクターや映画そのものでありジャンクフードではない。マクドナルドのようなファストフードが広告の自主規制に追い込まれている背景には「利益のために健康を無視した過剰な宣伝を行っている危険性があるため」である。Feastはファストフードが存在する現実に基づいてジャンクフードを食べる犬を描いたのであって食べ物の消費を積極的に求める広告とは方向性が違う。

    これを規制するのであれば人間がジャンクフードを食べる描写ももちろん規制されるだろう。

    ただしファストフード企業がこのアニメと協賛した場合は別で、アニメの内容も問題視されるかもしれない。

    主張4「注意書きくらいあっても良かったと思う」


    ビバリーヒルズ・ チワワ_ペットを飼うときは慎重に ビバリーヒルズチワワ_動物を傷つけず製作された


    日本語版で見た限りでは注意書きが無かったので自分も少し心配になった。
    確かにあるに越したことは無いとは思う。

    アメリカ人も誤解の誘発をする可能性を認識していないわけではない。最近のアメリカの実写動物映画ではクレジットで上のような画面が出る場合がある。

    「ペットを飼うときは慎重に考え最後まで責任を持って面倒を見てください」

    「全米人道協会監修。動物に配慮して製作されました」

    だが個人的にはこの表示があるからと言って、動物も誰も救われてるように思えない。
    せっかくなのでその例を紹介させてもらう。

    「スノー・バディーズ/小さな 5匹の大冒険」ではアメリカからカナダに輸送したゴールデンレトリーバーの子犬がパルボウイルスの予防接種を怠ったためこれに集団感染し5匹の子犬が死亡するという事故が起きた。「南極物語」(2006年)ではトレーナーがハスキー犬の喧嘩を止めるために激しく暴行を加えるという事件も起きている。ちなみに両方ディズニー映画だ。

    それにもかかわらず映画では「No Animals Were Harmed」と表示されている。

    実はこの表示、なんの根拠も持っていない。解釈次第では傷付いても虐待は無かったと主張できるからだ。

    この表示は動物を犠牲して作られた映画が一般人の目を逸らすために付けているようなもので「お酒は適量に」と大して意味合いは変わらない。

    だからアニメーションのFeastが「犬に人間の食べ物をあげないで」と言った所で悪い飼い主は犬に人間の食べ物をあげるだろうし、ディズニーは存在しない責任から逃れるだけで状況は何も変わらないだろう。


    Feastが規制される可能性はあるか?


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    2014年にキム・ジョンウンを暗殺するという内容のコメディ映画THE INTERVIEWが北朝鮮のサイバーテロの影響で公開中止になるという出来事があった。「北朝鮮の人民がこれを見たら国政に悪影響がでるかもしれない」という動機だと考えられている。

    Feastの公開そのものを否定する人は上と全く同じ思考と言える。
    これは映画そのもの、表現の自由を根本から否定しているに過ぎない。

    だが現にアメリカンアニメーションは自主規制とレーティングに大きな影響を受け続けてきた歴史がある。食に対する風当たりが強いアメリカでさらに機運が高まれば、将来的に犬と関係無しにでもディズニーが自主規制に踏み切る可能性はあり得る。


    それでも私はこの表現に規制は不要と考えている。

    犬のことを考えジャンクフード描写を問題視する意見の裏には、逆に一般人が動物に対していかに無知かが感じ取れるからだ。

    アニメを含めメディア企業が発する動物の不適切表現は普段から氾濫している。例えば野良猫や野良犬を肯定的に描く作品の存在だ。

    American Humane Association (全米人道協会)の指標では犬猫の野外飼育を動物虐待と位置付けているし、日本の動物愛護法も犬猫の放し飼いを明確に違法としている。

    しかしテレビや映画では数え切れないほど多くの野良猫や野良犬が登場し、それらの存在を否定的には見ていない。日本ではNHKが世界ネコ歩きという野良猫を肯定的に見る番組を放送しているが、この番組を批難する声は少ない。

    ほかにも攻撃的な犬の描写(しつけ問題)、ケンネルクラブ率いる犬の純血主義(遺伝子異常問題)、闘犬(動物虐待問題)、ペットショップ(悪徳ブリーダー問題)など様々な問題が存在する。

    これほどまでに多くの問題表現がすでに存在しながら大衆はそれを批難してこなった。

    しかし無知は罪ではない。普段から犬のことを考えている人ばかりではないのだから。
    問題なのは自身の無知に対して無自覚であることだ

    自分が犬に対して無知であることを自覚していないから「犬にチョコレートはダメ」などといった知識だけが先導しディズニーに批難の矛先が向く。

    ジャンクフード描写だけを取り上げて製作者を批難している人は結局映画のごく一部だけ抽出して批評家を気取っているに過ぎない。ほかの問題は置き去りにし動物の福祉は永久に達成されないだろう。それこそ本当は犬猫の福祉などどうでも良いという心理の表れだ。


    そして、Feastのように問題を徹底的に指摘し自主規制が現実の物となったとしたら、アニメの犬はどのようになるだろう?

    犬は雑種で、ドッグフードだけを食べ、外では必ず飼い主が隣にいて、咬んだり戦ったりせず、動物に関する問題は行政の介入で解決することを肯定的とする

    こんな退屈な映画が見たいならディズニーを思う存分批判すればいい。
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    Comment

    犬好き

    そうやって退屈なアニメが見たいかとかいう前に犬のアニメつくるなよ全部親のせいにしてるけどね、根本的にどうかと思うよ
    • URL
    • 2015/02/12 16:32

    anonymous

    ずれるけど何も知らない飼い主が何もしらない犬に塩と油と砂糖の塊を食わせてるように見えるから嫌われたんだと思う

    意味今までかなり擬人化表現された作品という比較対照があるから今回のはちょっとリアルに寄せたのがよけいにリアルに見えたんじゃないかな
    • URL
    • 2016/01/30 21:52

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    MASA

    Author:MASA
    ディズニーなどの海外アニメが好き。特にバルトが大好き。本当に犬しか見てないわけではないけど動物キャラが好き

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